始業式

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現在の時間は6時半。 生徒は元より先生すらいないであろう時間だ。 目の前には『私立晃輝(こうき)学園』とデカデカと彫られた石の柱が立っている。 毎回思うんだけど、くだらないとこに金かけすぎだよなうちのがっこ… そんな柱を軽く眺めて、正門をくぐる。 「よー、早いな。」 すぐに後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。 「そっちもなー。」 振り向きながら答えると、そこには俺と同じくらいの身長でソフトモヒカンの茶髪の男がいた。 そいつは、見た目こそいかにも不良だけど、その持ち前の明るさから一部の奴らには人気があるって話。 そしてこの男こそが宮川幸彦、朝俺に電話をかけてきた俺の悪友だ。 「いやー、さっきバイクをいつものとこに持って行ったら先に真のバイクあんだもんな。ビックリしちまったよ。」 いつものとこというのは、俺と幸彦がバイトしている個人経営のバイクのショップだったりする。 学校から歩いて5分くらいの場所にあるので、朝の通学のときにバイクを置かせてもらっている。 ちなみに、うちの学校は原則上バイトもバイクの免許も禁止されてはいるが、自由をモットーとしているのでバレてもお説教だけだ。 まあバレないに越したことは無いけどな… 「低血圧の俺でも教頭の頭には負けるからな。」 低血圧<教頭のヅラと言った感じだ。 「まあさっさと行こうぜ、クラス替えされてるはずだし、誰がどのクラスだか気になるし。」 あいよーと幸彦が応え、二人並んで教室へと向かう。
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