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朝。
夜明けを知らせる鳥のさえずりはまだ静かな朝の庭によく響く。今も小鳥が鳴いている……………空葉の耳元で。
「…うるさぁい!わざわざ耳元に来るな!」
空葉は一昨日の失敗をまったく活かさず、またもや縁側で眠っていた。そんな空葉にエサを求めているのかはたまた叫ばれた仕返しか、小鳥は空葉をついばんだ。
「痛い…!ごめん!今エサあげるから!」
空葉は逃げるように台所へ向かい、常備しているパン屑を皿に入れて縁側に置いた。
小鳥が嬉しそうにつまんでいる。
「ん~朝か~…あっ!恋ちゃんと会うんだった!」
思い出すやいなや空葉は風呂場に駆け込んだ。
「ふはぁ~朝風呂って贅沢だなぁ~」
だいたい三十分程で着替えまでを済ませ、空葉は家を出た。
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