1.大きな桜の木の下で➰🌸

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桜を見つめて2、30分が経ったときだった。少女が目を覚ましたのは。 「ん…あれ…わた…し?」 「あっ!目が覚めた?僕は大森空葉!よろしくね!」 少女はまだ寝ぼけているのか、空葉の顔を眺めている。 数秒後…真っ赤に顔を染め上げた。 「ひゃっ!?あ、あ、あ、あなたは!」 「あ~怪しいものじゃないよ…って信じてくれないよね~紅葉呼んでくるね?」 「あっ…いいですよ、信じますから…少しここに居てくれませんか?」 「へ…?別にいいけど…あっ、さっきいろいろ聞いちゃったんだ…」 やはり、病気の事まで聞いてしまったら言うべきだろう。 「へ!?わたし…寝言でなにか言いました!?」 「いや、違うよ?紅葉に名前とその…病気の事を…」 「それだけですか?…よかった…」 「赤城さん?顔が赤いよ?やっぱり熱があるんじゃ…」 無意識に空葉は額を恋の額にあてた。熱を計ろうと試みたのだがこれも、ある事実を思い出すのみに留まった。 「ひゃあ!?……あれ?…あなたの方が…」 「そういえば…僕、風邪ひいて……」 空葉はそこまで呟いて意識を手放した。
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