断崖という名の道で

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それから間もない頃、坂道でなおかつ景色が変わらないためか、拓也は弱音を吐く。 「まだ着かないのかな……? ……それよりも、こんな所に学校があるのか……?」 そう呟くように言って顔を上げた時だった。 「きゃーー危ないっ!」 前方から自転車のブレーキ音と共に誰かの声が響く。 「なんだ……!?」 拓也はまだ状況が理解出来ておらず、突っ立っていた。 なぜなら、道幅の狭いこんな坂道に自転車が物凄いスピードで向かって来るのだから。 「どいてーー!」 拓也の整理が済んだ頃には、自転車は拓也のすぐそこまで来ていた。 「うわーー!!」 ガシャーン 避けることも出来ず、拓也と自転車は衝突した。
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