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二人は抱き合うのを辞め、拓也の方を向いた。
「あぁ、これはねぇパパが帰って来るとき酔っ払った神父さんがいて、その神父さんが困ってるパパのために道に置いて行って下さったんだ」
(いや、それ絶対落とし物だから……)
拓也は苦笑をし、心の中でツッコミをいれた。
「とっても優しい神父さんね!」
拓也の母もそんなことを言ったので拓也は、ただただ苦笑することしか出来なかった。
「封筒に入ってた地図を見ると、ここからけっこう遠いわね。
でも、入学式まで日にちがあるから行けるわね」
有無を言わさぬ母の言葉に、たじろぐ拓也だった。
ここで話は現実に戻る。
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