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「……どこだ、ここ?」
拓也は唖然の表情で辺りを見回しながら呟く。
左手には岩壁が切り立ち、その上に生い茂る木々、右手には断崖で下に海という広大かつ危険な自然が広がっていた。
そして今、拓也が立っている地点とその周りには、何かの建物の跡だろうか、多くの瓦礫が散乱していた。
「……俺はさっきまで教会にいたはずだぞ……?」
そう言いながら拓也はその事実を確かめるために振り返る。
しかし、そこには少々距離のある所にまたもや岩壁が切り立っているだけだった。
「……う、うそだろ……? さっきの扉がない……。
それにここ……、もしかして本当にワープしたのか?」
唖然の表情のままで自問し続ける拓也。
しかし、いくら考えても答えが分かるはずもなく。
「……まぁ、いっか」
そういう結論に至り、再び振り返って歩み始めた。
意外といい加減な拓也だった。
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