香辛料

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『お前等はどっちだと思う?』 鈍い光の眩しい通路で一人の男がそうたずねた。 『僕は…左。』 今までの道筋から考えてきっと左だ。僕は完全にそう思っている。『俺は右だな。』『私も右だと思う。』二人は同時にそういった。『ウチも右』不思議な訛りのある喋り方。しかし、心無しか元気がない。 やはり皆極限なのだろう。 僕は左だと思う。何故なら今までがそうだったから。 僕は今までの情報だけが的確な答えを導いてくれると思ってるから。 『どうしますか、?』僕が訪ねる。 さっきの男が最もしてはいけない行為を取ろうとした。 『多数決だな。』 多数決…確かに…実に効率的で意見をまとめ易く手っ取り早い方法だ。 でも…僕はこう思う。多数決なんていうのは戦争と一緒だと思う。一つの挙手という武器で一つの意見が潰れる。潰された側から言えば今まで信じていた物をつきくずされた感じだ。 潰された側に残るのは。『本当は私達があっている』という内意識『不満』『ストレス』『間違ってたらどうする?』『敵意』 そして、起こる仲間割れ。 『この状態で多数決だと?』 隊長が切り裂いた。 いや、切り開いたというべきか。 『お前等は的確にもの事を掴めてないな。情報が大切さ。』 僕は隊長と同じ意見。しかし違う所があった。 『おっと…一番大切な事をいいわすれてたよ。本当に大切なのは…直感とひらめき。そして―――――×××××なんだよ』 僕は…僕達は隊長のおかげで大切な物を見失わずにすんだ。 多数決をとらなくてすんだ。 答えは一つだった。道は分かれていたっていつかは繋がる、目的地なんだから。 さて…直感とひらめきでもう結末は分かったはずさ。 後は×××××を信じるだけさ。 それじゃあね。 それだけ話して…僕はまた…歩き始める。
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