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小さな窓から漏れる月の光が少年を包んでいる。 整った美しい顔に、月明かりで神秘的に輝く銀色の髪…… カノンは思わず見とれてしまった。 (一体誰なの……?) カノンは不思議に思いながらも、少しずつ少年に近づいた。 少し俯くと、カノンの長い髪が少年の毛布からのびた細い腕に掛かった。 「んっ………」 するとくすぐたかったのか、彼は顔をしかめた。 それをカノンは少し微笑みながら見ていた。 暫く見ていると、少年の長い睫毛が少しずつ開かれていく。 「そろそろ起きるかしら…」 カノンがそう呟いた時、 「誰…………?」 彼はやっと目覚めた。 .
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