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部屋に入ってきたのは、二十代半ば程の女性だった。 薄い紫色の髪と、金色の瞳を持つ美しい女性…… 彼女こそこの国の大神官であり、有名な占い師だ。 「夜分遅くに申し訳ございません」 大神官は会釈しながら俺の部屋に入った。 「どうしたんだ?」 俺がそう聞くと、大神官は妖しく微笑んだ。 「とぼけないで下さい。」 「………」 「私を誰だとお思いで?」 金色の瞳のせいか余計に恐ろしく感じる。 「今日私の結界に鼠が入り込んだみたいですね…」 俺は何も言えず、黙り込んだ。 「結界を通り抜けるなんて…相当な魔力の持ち主のようですね」 やばい……… 全てばれている―――… .
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