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私は誰もいないドアに向かって、呟いた。 「――ごめんね…お姉ちゃん」 私は着替えを済ませた後、ベッドに潜り込んだ。 しかし、目は閉じず、ただ天井を見つめていた。 ―――――――― ―――――― 『カノン、一つ約束してね』 『うん!』 『これから私達は二人で暮らすの』 『辛い時や、悲しい時も、二人で頑張らなきゃいけないの』 お姉ちゃんは私の目線に合わせる為にしゃがんだ。 そして私の頬に手を添えて笑った。 『だから…秘密は無しね!カノンに秘密ごとされると、お姉ちゃん淋しいよ』 『うん、分かった!!』 ―――――――― ―――――― お姉ちゃんとの約束…… 守れないや――… 私はベッドの近くに置いてあった藍色のブローチを手に取った。 そしてそれを握り締めながら、眠りに就いた。 .
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