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「貴女は一体…誰なんですか?」 王子は擦れた声で、女性に聞きました。 その足は震え、恐怖を隠しきれていません。 女性は、口元を三日月のように吊り上げました。 「私は‥‥‥魔女。あなたを殺しに来たの」 そう言うと、魔女は王子に少しずつ近づいていきました。 一歩進むごとに、王子は後ろに後退ります。 「くっ…来るなぁ!!」 とうとう王子は壁にぶつかってしまいました。 「嗚呼、これで私はやっと救われる……」 血のように紅い瞳から、一筋の涙が零れました。 魔女は呪文を唱えました。 次の瞬間、 「ぎゃあぁぁぁぁあ!!!!!」 王子の悲痛な叫び声が響き渡りました。 痛みを伴いながら、首筋に模様が浮かびました。 【呪いの証】が―――… .
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