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[コンッ、コンッ] 聞き慣れた乾いたノックの音で、トウヤは目を開けた。 「おはようございます、王子」 「おはよう」 いつも通りの朝だ。 メイドに次の言葉を言われるまでは… 「王子…何か良い事でも有りましたか?」 「…はっ?」 メイドはクスリと笑った。 「だって昨日より明るい顔を為さってます」 トウヤは顔にそっと触れた。 にやけているのが自分でもよく分かる。 「お元気なのは良い事です」 メイドはそう言うと食事をテーブルに置き、部屋を後にした。 「俺ってそんなに顔に出るのかな……?」 ――――――― ―――― トウヤの呟きを聞いている人物がいた。 それは…先程部屋から出でいったメイドだった―――… .
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