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「魔法使いにこんな現象が起きるなんて――…ありえないわ…」 【…あら 実際に今私はあなたの中に居て、会話してるじゃない……】 確かにそれは紛れもない事実。 しかし、カノンはその事を簡単に認める訳にはいかない。 何故なら認めた瞬間自分に流れる血を……… 魔法使いとしての誇りを否定したことになるからだ。 古から語られてきた伝説では、『魔女に住まうもう一つの魔物』と言われている。 要約すれば、魔女は二重人格…つまり魔女の血が流れている事になる。 「…い…嫌……そんな馬鹿な―…」 [ぺたん……] カノンは地面に膝をついてしまった。 血を流しながらも震える指… 血の気の失せた青い顔―――… カノンの心が折れるのは、時間の問題だ―――――…
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