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カノンは頭を抱え込みただ今現在起こっている事実を否定し続ける。 「――違うわ」 「嘘よ」 「そんな筈は……」 そんなカノンにもう一人が、追い打ちを掛ける。 【…何度言ったら分かるの?】 【本能からは逃れられない……】 【あなたは知っている…自分に流れる本当の――「うるさいっ!!」 歯を食い縛りながら、カノンは叫ぶ。 「私は……私は漆黒の髪と金の瞳を持つ、純血の魔法使いよ!!」 ゆっくり呼吸を整える。 「…誰に何と言われようと、私は自分の血を疑わないわ」 カノンが言うともう一人は面白く無さそうに言った。 【分かったわ…でもあなたの心に闇が出来た時………また来るわよ……】 [はぁ…はぁ…] もう一人が去った庭園にカノンの荒い呼吸だけが、響いている。 .
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