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カノンは素早く起き上がり、一目散に逃げた。 が―――… あっさりと女性に腕を掴まれ失敗に終わった。 「もー酷いじゃないですかぁ!!まだ自己紹介もしてないのに」 女性は腰に手を当てて、頬を膨らませている。 「…あっと……その…」 カノンは曖昧な返事しか出来ない。 女性はずいっとカノンに顔を近付けると、微笑んだ。 「取り合えず意識が戻ってよかったです 私はこの城で働かせて貰っているマリーと申します」 スカートの裾を少し持ち上げて言った。 「私は――…「いいですよ」 カノンも名前を言おうとしたが、マリーにかき消された。 「あなたは、トウヤ様のお友達でございますね?」 カノンの動きが一瞬にして止まった。 .
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