秘密の鍵

12/38
前へ
/189ページ
次へ
カノンは素早く起き上がり、一目散に逃げた。                                                                                                                                                が―――…                         あっさりと女性に腕を掴まれ失敗に終わった。                                                      「もー酷いじゃないですかぁ!!まだ自己紹介もしてないのに」                               女性は腰に手を当てて、頬を膨らませている。                        「…あっと……その…」                                   カノンは曖昧な返事しか出来ない。                                            女性はずいっとカノンに顔を近付けると、微笑んだ。                                                   「取り合えず意識が戻ってよかったです                           私はこの城で働かせて貰っているマリーと申します」                                    スカートの裾を少し持ち上げて言った。                                          「私は――…「いいですよ」                                 カノンも名前を言おうとしたが、マリーにかき消された。                                  「あなたは、トウヤ様のお友達でございますね?」                                                    カノンの動きが一瞬にして止まった。                            .
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

90人が本棚に入れています
本棚に追加