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[コンッ、コンッ]
「トウヤ様失礼します」
誰かがノックしたと思ったら、マリーの優しい声が聞こえた。
「あぁ、入れって……」
(やばっ!カノン居るんだった)
トウヤは答えた後に後悔しだした。
{カノン!!}
トウヤは小声でカノンに話し掛けた。
{何よ?}
カノンも吊られて小声になる。
{何よ?}
{早く隠れろ!!今使用人が外にいるんだよ}
トウヤが必死に言ってもカノンの反応は薄かった。
{何でよ、私あの人に此処まで――――}
「お二人とも何をなさってるんですか?」
いつのまにか、マリーは部屋に入っていた。
「な…何で?」
トウヤが声を振るわせながらも、必死でカノンをベッドの下に隠す。
「お客さまを案内したのは私ですよ。それと―――…」
「えっ………」
「女性には優しく、紳士的な態度でと―――言いましたよね…」
「そんなの分かって……あっ」
今の状況はカノンを無理矢理、ベッドの下に押し込んでいる。
つまりどこをどう見ても心優しい紳士には見えない…………
「覚悟はいいですね………」
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