秘密の鍵

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「…………」 カノンは呆然としていた。 あの聖母のようなマリーがトウヤの事を叱り付けている。 「さぁ!トウヤ様、紳士とは?」 「……誰にでも優しく、包容力を持つべし…」 「声が小さいですよ……」 「誰にでも優しく、包容力を持つべし!!」 なかなか終わりそうにない。 (コレはまだ掛かりそうね……) カノンは一度ため息を着くとあのやけに豪華な椅子に座り直した。 ―30分経過― 「――では私はお仕事がございますので失礼します」  マリーはぺこっとお辞儀した後にトウヤに小声で何かを話した。 {王子、失礼のないようお願いしますよ} {わかってる……} [パタンッ] 「ふぅ………」 トウヤは安堵のため息を漏らした。 (あれ…何か忘れてるような……) 「ト~ウ~ヤ~~~!!!!」 「ぎゃあぁぁぁぉ!?」 トウヤ本日二度目の説教スタート。 .
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