前半

10/78
前へ
/164ページ
次へ
3日後の夜だった。 父親がパイナップルを買ってきてくれたのだ。 あまりにもアキヨシがパイナップルパイナップルと騒ぐので、しぶしぶ買ってきてくれたと言うわけだ。 アキヨシは眠気も忘れてパイナップルを見ていた。 「いいか。俺のようないかした頭になりたかったら、いい子になるんだ」 「イタズラしてちゃダメだぞ」 「まずはお姉さんの皿洗いでも手伝ってやれ」 「日頃の行いがよければ、きっといいことがあるからよ」 「そしたら俺のヘアースタイルをお前にやるよ」 「頑張れよ!」 アキヨシはパイナップルがそう言っているような気がした。 アキヨシはパイナップルを宝箱に閉まって、姉の皿洗いを手伝った。
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加