前半

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アキヨシはカナヅチを工具箱にしまって家に入った。 洗面所で手を洗って、風呂に水をためた。 水風呂で戦争が始まった。アヒルのおもちゃに水鉄砲で猛攻撃だ。アヒルは洗面器で防御している。 水鉄砲の弾が切れた。アキヨシは瞬時の判断でシャワーを手にした。 マシンガンだぁ! 圧倒的な勝利だった。 アキヨシが勝利の舞を踊っていると、玄関のドアを開ける音がした。 「あっくん、お風呂」 母親がこっちにくる。アキヨシはシャワーを構えた。 ドアを開けた母親にシャワーをかけた。 母親は悲鳴を上げながら、アキヨシの体を抱き上げてシャワーを止めた。 「ママずぶ濡れだね。僕の勝ちだね」 「そうね。あっくんの勝ちね」 母親は自分の体を拭くより先に、アキヨシの体をバスタオルで拭いた。 「ママも水風呂入ろうかな。あっくんも一緒に入ろうか?」 「やだよ。もう入ったよ」 「そうね。じゃあママお風呂入るね」 母親はずぶ濡れの服を脱いで風呂に入っていった。
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