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「アキヨシよ、今回ばかりは参ったよ」
保育園から帰ってきた父親が言った。
「何もマジックで書くことはないじゃないか」
「何かあったの?」
何も知らないのは姉だけだった。
「あっくんが保育園の壁とか床に落書きをしたんだよ。なかなか消えないしろものでね」
「なんだ、そんなことかぁ」
姉は平然としている。
「ってことは、あっくんはウチでも何かしでかしたのか?」
「べつに…」
姉は言えなかった。
アキヨシは姉の下着を電子レンジでチンしたのだ。
焦げた下着を姉は隠して、家中の換気をした。
アキヨシのお尻を真っ赤になるほど叩いたのに、それでもまだ怒っているのだ。
アキヨシは疑問に思ったことを実験してみただけだった。姉の下着を電子レンジでチンしたらどうなるのか?
熱くなって溶けるのか。それとも卵みたいに爆発するのか。
これは子供の好奇心なのだ。悪いことではないけれど、実験の結果は、姉の下着は煙を出して、焦げたということになる。
そしてアキヨシは姉にお尻を叩かれた。
「あっくん、危ないでしょ!火事になったらどうするのよ」
姉は何度も怒鳴りながら、アキヨシを叱った。
アキヨシは二度としないことを約束させられた。
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