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ヒコの真横にも
もう一人の少女が剣を水平に構えヒコの首を斜め下から狙っている
「スキルなの?3つ子なの?」
雀の声は少しかすれ
少女の表情からはこれが脅しの類だとは思えなかった
「その辺にしてください……学園長、生徒に怪我をさせてはいけません」
アザレアが少女を諭す様に呟く
「学園…長?なのこのガ……お嬢様」
「文句があるのか?『ケテル』」
「ないです」
首元から剣が外れ
雀の背後の少女は剣を収めた
「ヒコ君……拳を下げて」
「あ…あぁ……」
ヒコが拳を下げると
もう一人の少女も剣を収めた
しかし柄に手をかけたまま
いつでも抜剣できる様に構えを崩さない
「なんで構えてんだよ?こっちのは」
「貴様が戦意を持っているからだ……言っておくが、その戦意を実行に移した瞬間に貴様は死ぬと思え」
いつの間にか
雀とヒコの間にも
同じ姿の少女が抜剣の構えで現れていた
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