恐い女

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―――――体が痛い…… 「ぐおぉぉ…いてぇぞマジで……腹にトペコン・ヒーロ喰らわすとは……悪魔の様な女だな」 なんとか上半身を起こし 辺りを伺う まるで明け方の様な濃紺の風景 土の歩道は前も後ろも真っ直ぐ何処までも続き終りが見えず その歩道に沿って木の冊も何処までも続く 冊の向こうは野原 遠くに森らしき物が見える ちなみにトペコン・ヒーロとは トップロープから飛び下り頭突きを喰らわすメキシコプロレスの荒業である 「どこの田舎だよおい……電車あんだろな」 隣に女が横たわっていた 微かに胸が上下し呼吸をしてる事がわかる 「えーと……俺のだよな?」 100歩譲っても違う 「とりあえず起こしてヒールレスラー並の強襲の理由を聞かなくては」 と言いながら 大きめの胸に手を伸ばす しかし 彼女の風体がその手に無言の圧力をかけた 少し長めの猫毛 左手首から肩にかけて絡まる様に入っている模様のない黒いドラゴン 首の付近にハザードマークのタトゥー 右手のグローブに握られたオートマチックカスタム
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