第一章…誕生と時代背景

4/44
前へ
/50ページ
次へ
もう一つの心配事である、生まれたばかりの嬰児の顔かたちについては… その嬰児が夫エスガイの子であるという…如何なる確信も確証も、その嬰児の顔からは得る事ができなかった。 嬰児はエスガイに似てるようであり… また、似てないようでもあった。 それと同様に、ホエルンにそんな悩みを惹き起こした… もう一人の男の顔にも、似てるとも似てないとも言えた。 はっきり言えば… 嬰児は誰にも似ていなかった。 ただ一人、自分を産んだ母親…ホエルンにのみ似ていたのである。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加