第一章…誕生と時代背景

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ホエルンはエスガイが嬰児の誕生を知って、それに対しどんな気持ちを持つのか… 全く想像がつかなかった。 エスガイは、妻であるホエルンの妊娠を知っても、別に喜ぶ訳でもなく… この部族の勇者達が持っている… 寡黙と無表情が彼の反応だった。 それはエスガイが戦場に行くまでの間…終始一貫変わる事はなかった。 彼がその妊娠に対し喜んでいるのか、怒っているのか… その表情と態度からは、どの感情も読み取る事はできなかった。 しかし、嬰児の出産を報告する事によって、ホエルンは嬰児に対する夫エスガイの言葉を聞けるはずだった。 例え…嬰児を殺せと言う言葉が彼の口から出たとしても… それはなんら不思議な事ではなく… ホエルンはエスガイの答えを待ち、その全てを受け入れるつもりだった。
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