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本気-マジ-
「じゃあそろそろ行きましょうか?」
チャーハンを食べおわり真田さんが言った。
『…あ、ああそうだね、そろそろ行こうか。』
伝票に手を伸ばす真田さん。
僕はハッと気付いた。
…チャーハンの分しか金がかかんないじゃないか、てことはかなりお安いのでは?
『さっ真田さん…、僕が奢りますから…。』
「いいんですか?…じゃあお言葉に甘えて…。」
っと…いくらだ?
…ん?
…なんだこれは15600円?
ははっ、ケタを間違えたんだろ…。
いちじゅうひゃくせん…万。
もう一度。
いちじゅうひゃくせん…万。
マジで言ってるのか?
どうしてこんなにチャーハンが高いんだよ。
[チャーハン]の欄の横に小さく[フカヒレスープ追加で15000円加算]と書いてあった。
僕、頼んでないぞ?
じゃあ…真田さんしか居ないよな。
ああ…君が憎いよ真田さん。
泣きそうだよ真田さん。
しぶしぶ15600円払った。
財布はすっからかん。
…しばらくコンビニ弁当だな。
その日は寒い懐を擦りながら帰路に着いた。
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