-刻-

たいくつ

午前の授業終了。

これからサボる奴らは、この後の予定(大体、カラオケかダーツ)を楽し気に話しながら教室を後にする。

どうやら、昼飯は近くのファミレスで済ますようだ。

聞こうとしているんじゃない。　嫌でも耳に入ってしまうんだ。

俺は昼飯はいつも一人でグラウンドの近くのベンチで食べている。

誰にも気付かれる事もなく。

だってさあ、とてもじゃないけど一人で教室で食べるなんて無理だって。

周りの奴らの楽しそうな会話を聞きながら食べるなんて惨めだ。

っていうより周りの｢目｣が怖いしな。

前に｢立石君も、一緒に食おうぜ｣って誘われたことがあったけど、同情されるのは嫌いだから断ってやった！

それもあって、ますます気まずいからここ数ヵ月はベンチで食っている。

当たり前だけどさ、一人で食っても全く美味しくない。

っていうより味わおうと思ったことなんてなかったなぁ。

それこそ口に物を入れ続けるだけって感じでさ。