花札

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ブログでも書くか。コメント欄を閉じて、トップページに戻り本文を作成しようとした。 この真っ白な本文は、今から俺の喜びに溢れた感情的な言葉で埋まっていく。 そう考えたら意欲が湧き、次々に指を鳴らしていった。 「お久しぶりです!! 今日、神奈川にある『鳳凰』っていう彫りもの屋に行ってきました! そしたら、まるで花札の世界に飛び込んだかのように花札の絵柄で使われている猪鹿蝶等のデザインがいっぱい飾ってあって、釘付け状態でしたよ! いやぁ迷いましたけど、仮にあの店で入れてもらうとしたら、やっぱ夕焼けと鶴のコンビですね! でも、もうちょっと考えてみたいと思います! あと、また仕事貰っちゃいましたよ! ワァー! なんと、あの世界のカメラマンである名波さんの写真集にモデルとして参加させて頂ける事になりました! パチパチ! 今から、緊張です。 そんじゃ詳しい事はまた今度!」 指を止めた後に、顔文字や絵文字が一切ない事に気付いたが、特に書き直す事もなく、そのまま送信をした。 実際、書いてみたら呆気ないもんで、面白味のない文章に鼻で笑った。
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