平凡な毎日

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― Restaurant kanon   バス停のすぐ近くの可愛らしい見た目をしているお店。 愛香と歩のバイト先だ。 kanonというのは、店長の想像上の娘の名前で華暖と書く。   可愛らしい見た目と、美味しい料理で結構繁盛している。     店の裏、従業員の入り口にぼろぼろな自転車が放置してある。 持ち主は九条雷来。 ここでウェイターのバイトをしている。 愛香はその自転車を蹴り飛ばし、壁に寄せると中に入る。   中では雷来が学校の制服姿で、パイプ椅子に座って居た。 眼鏡を外して机の上に置いてある。 右手で長めの前髪を上げていて額が見えている。 頭は壁と接している。         学校と違う雰囲気でなんだかこっちの方が女子にモテそうだ。                             「おまえら来たのか……あれ?竜也は?」   雷来は少し頭を起こして聞いた。 右手を額から離したので、前髪が、ばぁっと降りてくる。   「あぁ……起きないから置いてきた」   愛香は当然のように言い放つ。
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