魔王と勇者。

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突き立てられた剣からは聖なる光が溢れ、ゆっくりと体が蝕まれていく。 体中から漏れ出る魔力。 このままでは我の体は……。 「消滅させる前に一つ、聞きたい事がある」 マリアは剣をしっかりと握りながら、こちらを睨みつけてきた。 「何故、私の剣をかわさなかった。お前ほどの存在ならあんな攻撃簡単に……」 「ククク…仕方あるまい」 マリアの言葉を遮り、小さくため息をつく。 ……馬鹿馬鹿しいと笑われても、どうせもう消えるのだ。 今更どう思われようが構わぬ。 「人間と旅をしていく内に、貴様らが好きになってしまったのだ。笑えるだろ?ゴミだと思っていた人間を好きになるなど…」 自分でもおかしくてたまらない。 「もう我は人間と戦うことなどできん。特にマリア、貴様とだけは戦いたくない」 笑うがいい。 この愚かな魔王を。
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