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ふっ、と剣から溢れる光が小さくなった。
「……いきなり馬鹿なことを言うから、お前を殺すほど…力が出ない、じゃないか」
何故かマリアは泣いていた。
「どうして私が、お前を魔王だと見破ったか分かるか?……女ってのは…惚れた男から目が離せない生き物なんだよ。あれだけ側にいて、あれだけお前を見ていれば…些細な秘密にだって気付いてしまう」
恋とは難儀な物だ。
敵だと知りながら、気付きながらも…その…思いを……。
静かに静かに、意識は暗い闇の中に消えていった。
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