34人が本棚に入れています
本棚に追加
「すっかり遅くなっちまったな。」
俺は久遠亨。
至って普通の高校生だ。
誕生会と称し、友達とカラオケでばか騒ぎをした帰りだった。
「ヤベ、もうすぐ10時じゃん!録画予約しとくの忘れたんだよな~ι」
俺は、足早に家路を目指した。
俺は今一人暮らし状態だ。
俺の両親は今海外にいる。
親父の転勤に母ちゃんが付いていったんだ。
いつ帰れるか分からないし俺も一緒にいかないかと誘われたけど、知らない国にいくのが怖かったし、何よりここを離れたくなかったから。
何故なら…
「!」
古びた、今は使われていない教会の前で俺は立ち止まった。
(ここを通り抜けちまった方が早いんだよなぁ~)
だが、辺りは暗く敷地内は荒れ放題でいかにも何かデそうな雰囲気に、俺は一瞬ためらった…が。
「よしっ!」
俺は、意を決して敷地内に足を踏み込んだ。
今思えばそれが悪夢の始まりだったんだ。
そうとも知らずに…
最初のコメントを投稿しよう!