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私たちは…この先を知っている…とても…不安で…寂しい…空間へ……
まずはアリス、そして私、ひとみ、リサ、美咲、紗耶香…えいじが続こうとしても進めない。なぜなら…チェシャ猫がえいじのローブを掴んで離さないから。
そうこうするうちに扉はしまってしまった。
…あれ?
みんなが…いない…。
ふと下を見ると、たくさんの数えきれない紙きれ…よくよく見たらそれらは全部手紙だった。
誰かが誰かを思い一生懸命に書いた…手紙。
…何かひっかかるものがある……。
何だろ…
その時、奥から歩いてくる足音…ビクッと体が跳ねる。…実際だったらアリスの前に包帯だらけで現れるアノ人…。私はアリスではない…いや、アリスとは言われてるけど…。本当のアリスは…【葛木 亜莉子】だから。
私はただの世間一般的な【鈴木 美菜】なんだ。
着々と近付いてくる足音…あの…すんません…私、ホラー無理なんすけど…生まれてこの方お化け屋敷なんか入った事ないよ…なのにこんなシチュエーションは…!ヤバいよ!コワいよ!
私の目の前を、ミニチュアだろうか、そのくらいの小さな犬が横切る。
何故だか懐かしい感じがする。知らない。私はこんな犬…。
ぁ…れ…?
足音が…聞こえないよ…?
いつから…?
その時、後ろに気配を感じ、ばっと振り向いた。
そこには…小さい、髪の長い女の子と、その子より更に小さく、くるくるの髪の女の子が手を繋いで、じっ…とこちらを見ている。嫌な感じ。見られてるのは…変な感じ。堪えきれなくなって私は振り向き走り出した。
例え体力の無い私でもこの時ばかりは速かっただろう。
目の前に光が見えた。
思い切り踏み切って光の当たる方へ、私は足を伸ばした……
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