見慣れた町の見慣れぬ人たち

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どこかで見たような町の風景 馬鹿なリサは歪アリ(歪みの国のアリス)の中の世界という事も忘れキョロキョロとしている。 だがその横顔には少し影が差していた。 みんな表情が暗い。 通路でそれぞれ見たものが…みんなを苦しめる。 美菜「あ……」 私はある事に気付いた。 紗耶香「なに?」 美菜「拳登がいない…。」 美咲「えいじは?」 美菜「チェシャ猫が行かせないようにしてたのは知ってる。だけど…拳登は…?」 場が静まり返る。 紗耶香「扉に入った時…いたっけ?」 冷たい汗が背中を伝う。 ひとみ「…拳登くんの役…廃棄くんだよね…?」 それまでずっと黙っていたひとみが口を開く。 ひとみの言葉にみんなが頷くとひとみはある事を……私たちにとって、物凄く信じ難い事を言った…。 要約するとそれは… ・拳登は廃棄くんの役だった。 ・美菜はこの世界で「もう1人のアリス」と呼ばれている。 ・廃棄くんは公爵夫人に食べられた。 これだけでも十二分に想像がつく。 みんなは震えた。 それに気付きひとみはわざと明るく、「あくまでも想像だからっ!」と言った。だが誰もそんな事は思わない。…何故ならば、全てが正論だから。 チェシャ猫はココに来ない。 それと同時にチェシャ猫役であるえいじもココに来ない。 それにアリス役の私はココでは【もう1人のアリス】だ。 想像とするには、理由が足り過ぎていた…。 .
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