見慣れた町の見慣れぬ人たち

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「「「「美菜っ!!」」」」 振り向くと、4人の顔。 安堵からか笑顔に涙が浮かぶ。 恐怖からではない、幸せの涙。 互いに言葉を交わしあい、四階建てのビルを見上げる。 …四階建て? おかしい。 私たちがビルと会ったのは二階のはず。 現に、階段をあがる時に見えた数字は2と3だった。 三階は火に舐め尽くされていて、そのまま屋上に行った。 何故? …そういえば、本編ではビルと会ったのは三階だった。 それにパンを食べたあと、アリスは泣いてはいなかった。 それに火の中にもアノ人とアレはなかった。 それに…雪乃と会った時、アリスの頬は赤く腫れてはいなかった。 店の中で雪乃とアリスはほとんど会話をしていなかった。 そして…4人はどうやってここまで来たのか? 思い返せばすべてがおかしい。 一体…何故? 私の思考はそこでとまった。 チェシャ猫がおかしな事を言うからだ。 チェシャ猫「急がないと遅れてしまうよ。」 …このおかしい出来事は後でゆっくりと考えよう...。 .
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