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淳志は抱き抱えた子供を下ろし、女性から庇うようにした
「あんた、何やってんだよ」
「あなたこそ何してくれてんのよ」
思いもよらぬ言葉が帰ってきた
「何って...もぉ少しで大事故だぞ!」
「...仕方ないのよ」
「...何?」
「...帆夏[ホノカ]は私にとって邪魔なの」
子供の名前は帆夏と言うらしい
「邪魔って...あんたの子だろ?」
淳志は衝撃発言に耳を疑った
我が子が邪魔?
そんな事許されない
「何も知らないで...」
「理由を聞かせろよ」
「何故他人のあなたに...話す必要なんてないわ」
さっきまで冷たい表情だった女性の顔が、少し淋しげな顔へ変わった
「力になるから」
淳志は必死の説得をする
「必要ないわ」
しかし女性はそれを一切受け付けない
「お願いだから話てくれよ」
「話てどぉなるって言うの?」
確かに...
他人の事情に首を突っ込める程、淳志に余裕はない
しかし困っている人を見捨てられない淳志のプライドは一歩も譲らない
「...何でもしてやる。この子の為に...そんで、あんたの為にもだ」
「...」
女性は黙り込んでしまった
一時の無言の空白が続く
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