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「もう一つは帆夏の身体」
「...身体?」
「帆夏はね、産まれつき耳が聞こえないの。そのせいで言葉を覚える事さえ出来ない。喋れないのよ...」
通りで一言も喋らなかった訳だ
淳志の頭の中のムヤムヤが少し解き放たれた
「それに産まれつき身体も弱い。いつ体調を崩してしまうかも解らないわ
毎月の病院代、こんな状態で払えると思う?」
「...確かにな」
「だから殺そうとしたのよ」
淳志は解らなかった
「何でそうなるんだ?まだ他に方法はあるだろう?施設やら親元やら...」
「さっきも言ったように親なんか居ないも同然よ。それに施設に入れるお金なんかない...」
「...確かに」
あぁ俺って役に立たねぇ
今更ながら後悔の淳志
「あなた何でもするって言ったわよね」
「...あっあぁ」
すっかり忘れていた
「その子を死なせたくないんなら、その子引き取って貰えない?」
「...えっ...は?」
なんでそんなに上からモノが言えんだよ...
と言う意味も含めた「は?」だった
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