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「それって、犯罪じゃないか!! 」
当時の俺の頭の中には、親父は美化されたような存在だった。
「いけないことだと? 」
「当たり前だろ!! 」
「愚問ですね。私達の行為が、日本経済を支えているのですよ」
「何……?! 」
世界の裏を見た瞬間だった。
俺はいつも表しか見ていなかった。
だけど、この日初めて現実を突き付けられた。
「私達は人々を支えてきたのですよ」
「そのために犯罪に手を染めるのか!! 」
「何かをするには、何かをしなければならない。それと同じですよ」
「一緒にするなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 」
どんなに叫んでも、利樹さんには届いていなかった。
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