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｢あっ、言い忘れたんだけど明後日出掛けるから｣
話題を逸らすように、唐突に学校のことを話した。
｢そうですか。どちらに？ ｣
｢よく知らないけど、山に行って肝試しをやるんだってさ｣
｢山……。何て言う山なのですか？ ｣
山の名前を聞かれたのだが、大して気に止めてなかったので、すっかり忘れてしまっていた。
｢あ～…悪い。忘れた｣
｢……そうですか。くれぐれも気をつけて｣
｢はいはい｣
この時、利樹さんの顔に不安が漂っていたことに、俺は全く気付かないままだった。
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