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「ヘクショイ!ヘッックショイ!!」
くしゃみを二回するのは、誰かが悪い噂をしてるからだって漫画か何かで見たことがある。
やだなぁ。
というアタシの不安をよそに、アタシの隣にいる人は爆笑中。
アタシのくしゃみで、目の前に散って来た桜の花びらが、ぶっ飛ばされたことが可笑しくてしかたなかったみたいだ。
…失礼な。
「笑うーなー。富(とみ)ー。ただの花粉症なんだよ。やぁねー、この時期は。」
「あっはっはっは!ごめんな曾父依(そふえ)ー。ほなって、ほなって花びらが鼻で…あっはははは!!」
ちぇ、何が可笑しいんだい。
そうやっていつまでも桜の木の下で笑ってればいいんだ。
そしたらいつか、花びらが周りに積もって埋まってしまって、アタシに助けを求めても助けてやるもんか。
アタシはポケットからマスクを取り出し、付けた。
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