遥か彼方

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歩き続け、神流木家に一直線に繋がる道までたどり着いた。 そして、この道からは神城神社に行くことができる。 わりと大きめな街である神城市の歴史は、実はそれなりに深い。 とある伝説などもあるくらいだ。 でも、実際に神城神社に美鈴と行ったときは何も起こりはしなかった。 まぁ、都市伝説みたいな感じなんだろう。 そんなに気にするようなことじゃない。 そして、ついに俺は神流木家にたどり着いた。 相変わらず大きい屋敷だ。 でも、今日はいつもと違っている。 門の前には、黒い車。 美鈴の家に今までなかったものだ。 何故だろう。 胸騒ぎがする。 いろいろな、自分に優しい可能性が頭の中に浮かんでくるが、それを否定するべく、目の前の車は異質な雰囲気を醸し出している。 だが、俺には他に選択肢がない。 中で何が起こっていようとも、美鈴に会わなければ意味がない。 俺は回り込み、呼び鈴を鳴らして正門から神流木家の敷地内に入っていった。 玄関に勝手にあがらせてもらったが、返事はない。 風邪を引いて、その上眠っているのならば、それは仕方がない。 でも、美鈴は多分家にいない。 一つは、靴がないこと。そしてもう一つが、道場の方から音が聞こえてくること。 とりあえず、道場に行ってみることにした。 そこにいなかったら携帯に連絡してみよう。
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