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くねくねから目を離そうとするが、離せない。
これでは狂ってしまう。
どうすればいいのだろうと考えていると、頭の中で声が聞こえる。
「隊長。くねくねを見続けると狂うとなんで教えてくれなかったんですか、そのせいで僕はくねくねになってしまったんですよ。お返しに隊長もくねくねにしてあげます。もちろん隊員もです」
声の主は隊員Aだった。
やはりくねくねは隊員Aだったようだ。
「やめてくれ。悪かった。悪かった。許してくれ」
私は必死に謝った。
もし体が動いたら、土下座をしただろう。
「許しません」
「許してくれ。許してくれ。許してくれ」
私は、何回も馬鹿みたいに同じ言葉を繰り返した。
もう隊員Aからは何も聞こえなくなっていた。
くねくねくねくねくねくね。
私達、五人はあの日からずっと狂いくねくねと動いている。
私はあのとき、隊員Aにちゃんと教えておくべきだったと今でも後悔している。
くねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくね。
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