占い師と男

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「あいつはなんて思っているんですか?」 男は興味津々のようだ。 「彼女は自分の胸の小ささを、悔やんでいます。あなたに気に入られる胸がよかったと」 彼女のおっぱいが小さいかなんて知らない。 しかし、喧嘩をしたとなると小さいのだろう。 私も小さいので、それに触れられたときの気持ちはよくわかる。 それを、この男にはそのまま伝えてみた。 「やっぱり」 男は額に指をあて、悩んでいる様子だった。 「彼女の胸のサイズは変わりません。あなたがそれを受け入れることが大切でしょう」 そう言って、水晶から手を離す。 この体勢は意外と疲れる。 「そうですね。そうします!」 男はそう言うと、ポケットからくしゃくしゃの千円冊を三枚出し、走って行ってしまった。 さて、これから少し遅いお昼にするか。 私は、大きくのびをした。
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