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「この前のことをだよ」
彼女のとろんとしていた目が、はっきりとしていた。
唇をふるふると震わせながら、彼女は言った。
「なんでそんな馬鹿馬鹿しいこと相談しにいくのよ!もう、そんなこといいでしょう」
ヒステリックに怒る彼女に、僕は占い師の言葉をやってみることにした。
「もう胸のことは気にしなくていいから。僕が悪かったね。ごめんね」
背中からぎゅっと抱きしめ、耳元で囁いた。
「ありがとう」
彼女は少し涙声で言う。
僕はさらに強く抱きしめた。
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