こぼれた水をすくって

アリアとミオン

「あたし達もうすぐ死ぬんだよね」

アリアはぽつりとさみしそうに言った。

「そうね。それがどうしたの？」

ミオンはあっさりとしたとんこつスープのように言った。

「さみしくないの！大人達が勝手にやった実験で死ぬなんて。あたしは嫌だ。死にたくない」

アリアはこってりとした、担々麺のように言った。
腕はぶるぶると震えていて、今にもミオンに殴りかかりそうだ。

「別に。もしかしたら、あたし達が同じ実験をしたかもしれないのよ」

「あたしはしない。絶対に」

アリアは固いおせんべいのように言った。

「夢物語のようなことを言ってもしょうがないわね。疲れたからあたしはもう死ぬわ」

ミオンはそう言って、傘を投げ空から降ってくる銀色の作りたてで柔らかな飴のようなどろどろとしたものを全身で浴びた。
ミオンはとろとろと溶けて、銀色の飴のようなものと一緒になった。

「ミオンー。ミオンー」
アリアの叫び声が静かに響いた。