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「舞子好きだよ」
「べ…別にあんたのことなんか好きじゃないんだから」
舞子は頬を赤らめて言った。
舞子はツンデレだ。
二次元のツンデレは好きだけど、現実のツンデレはちょっと困る。
ちゃんと僕のことを好きだと言ってほしい。
あんな返事じゃなくてはっきりと。
だから僕は頼んでみることにした。
「ねぇたまには好きって言ってくれない?」
「無理よ。私の性格知ってるでしょ」
即答だ。僕は粘ってみた。
「お願いします。舞子様」
僕は手をあわせて頼んだ。
「そ…そんなに言うならいいわよ。簡単なんだから」
舞子は嘘をついている。
目が泳いでいるのだ。
「無理ならいいよ」
僕はわざと言う。
「言うわよ。言えばいいんでしょ」
舞子はむきになったみたいだ。そんな舞子は可愛い。
「卓也のことが好き。世界で一番ね」
舞子は恥ずかしそうに言った。
「ありがとう。嬉しい。僕も世界で一番舞子のことが好きだよ」
「あ…あれは嘘なんだから」
舞子は言う。
僕はもうツンデレでもいいと思った。
だってそれが舞子の性格だからだ。
舞子のことがまた愛しくなった。
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