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学校を出て振り返ると、あたしの教室の前の廊下が見えた。
そこで誰かが立ち止まり、こっちをみていた。
その人影はすぐに小さくなって見えなくなった。
蓮はまだあたしの手を引っ張っている。
「…蓮!」
蓮はぴたっと立ち止まった。
「…おう、」
我に返ったようだった。
「蓮、どうした?」
「いや、松下ってやつの話きいたらさ…そいつに薫を見せたくなくってよ。」
ぽりぽりと頭をかく蓮。
「噂だよ、ただの。それにあたしなんか見たところでそいつも萎えるって。」
あたしが笑いながらそう言うと、蓮はあたしの肩を掴んで見つめてきた。
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