空蝉

2/10

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/179ページ
「薫、」 「なんだよ、女狐。」 菫が部屋に入ってきた。 「先生いた?」 「誰?」 「松下先生のこと、」 …やっぱり… 「ああ、いたよ。」 「いいなあ…」 はあ、と溜め息をつく菫。 あたしは今日、真澄たちからきいた話を菫に言おうかどうか迷った。 でも、菫が男にこんなに夢中になるなんて今までなかったし… 夢を壊すのもなんだか… あたしが悩んでいると菫が話し出した。 「お願いあるんだけど。」
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加