空蝉

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「ちょっ、ちょっとだよっ!」 「ありがとう~薫!」 そういうと菫はあたしの服を脱がせて何やら着替えさせて、髪もクシでとかし、菫の机に向かわせた。 「…何?」 「今から仕事だから、しばらくあたしのフリしててね。」 菫はあたしの肩をぽんとたたくと、窓をガラガラと開け始めた。 「ちょっと!あたしは何してることになってんの?!」 「あんたいっつも帰り遅いじゃん。今日は早かったけど。だから別に大丈夫よ。じゃあね。」 菫が窓の外に消えた。 …て、ここ2階! あたしは慌てて窓の外を見た。 すでに菫の姿はない。 あるのは吊しはしごだけ… 「…女狐。」 あたしはぼそっと呟いた。
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