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―百年前に起きた、神隠し事件。
被害者は、○×中学校2年C組の37名の少年少女達だった。
ある日突然、37名の少年少女達が一斉に姿を消したのである。
目撃者もいなければ、証拠も全く無い前代未聞の事件。
人々に衝撃が走った。
人々はこの事件に対して嘆き、悲しみ、怒り、そして恐怖と。
それぞれいろいろな感情を生み出した。
その中でも一番強かった恐怖。
もしかしたら自分が…自分の子供が…
そんな恐怖を人々に与えたまま1週間が経とうとしていた時、ある一人の少年が2年C組の教室で血を流し倒れているのが発見された。
警察はすぐにその少年の事を調べた結果。
37名神隠し事件の唯一の生還者だという事が分かった。
警察は喜んだ。
人々は喜んだ。
親族は喜んだ。
なぜなら、この事件に終止符が打たれると思っていたから。
この恐怖から逃れられると思っていたから。
しかし、現実は厳しかった。
その少年は事件の事をなにも覚えていなかったのである。
たった一つの光が消えた瞬間であった。
そして事件は解決されないまま迷宮入りとなった。
人々の心から風化していき消えたその事件からもう百年が経とうとしていた。
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