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「大丈夫か?ほれお土産」
俊輔はニカッっと笑いながらそう言って手に持っていた小さな紙袋を零に差し出した。
「お…お土産?…ありがとう。」
お土産…。
なんか違う気がするけど。
まあいいか。
零はそれを受け取る。
「いきなりだけど…単刀直入に聞く。何があったん?」
突然、俊輔の目付きが真剣なものになった。
今さっき笑っていたのが嘘みたいだ。
今日来たのはきっとこの質問をする為だろう。
「ん…」
零は一瞬躊躇(ためら)った。
やっぱり信じてくれるかが不安で。
そんな零に俊輔は気が付いたのか、言った。
「ただガラスが割れただけじゃ、そんなに怪我しないと思うんだ。だから、何があったのか知りたい。俺は零が何を言っても信じるから」
「俊輔…」
俊輔の言葉にやっぱり信用出来る奴だと言う事を実感させられた。
なんで俺はさっき言うのを躊躇っていたんだろう。
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